「10歳から100歳に贈る――感動と発見の『えっ!本』シリーズ」は、これまでに12冊を出版してきています。
シリーズ中には、地元の『名勝小金井桜の今昔』や府中にある『大國魂神社の歳時記
』、『京王電鉄ものがたり』など、近隣地域に密着したものから、糸操り人形芝居一座『結城座への招待状』など、ジャンルにとらわれず、幅広い題材から作り上げています。
このシリーズ2作目、『天使のピアノ 石井筆子の生涯』は、昭和3(1928)年に今の国立に移転・開設された、日本最初の知的障害者たちの福祉施設「滝乃川学園」の2代目学園長でもあり「日本の障害児教育の母」と謳われた、石井筆子の半生を書いたドキュメントになります。
この本を原作の一つとして、今年の冬に向けて映画「はだしのゲン」などを手がけた現代ぷろだくしょん/監督・山田火砂子により、常盤貴子
・市川笑也主演で映画が製作されているそうです。映画の公式ページもありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
ネット武蔵野では、このほかにも、音楽や詩などについて、美麗なイラストとともに書かれた正方形の外観も特徴的な「五感で読む『悠』シリーズ」や、小金井在住の英・米の女性による、絵も文も自作・自演のCD付き英語教材「英和絵本シリーズ」、ロシアやモンゴルなど、未だ日本ではマイナーな国の絵本を日本語に訳して発刊するなど、ネット武蔵野では良質の
絵本も出版しています。
新刊本だけではなく、ネット武蔵野では戦前・戦後の話題本の復刊もしています。これまでに、詩人・サトウハチローや、弁士・徳川夢声の著した本が復刊されました。
いずれも、今とはまた違った活気にあふれた時代を切り取ったこの本、年配の方が昔を懐かしんでも良し、若い方が今と地続きでありながら、全く違う印象を受ける時代を生きた人たちに触れるのもまた良しといった内容になっています。
読者の方たちも、ネット武蔵野の本に感銘を覚える人が多いそうで、今までに直接ご注文いただいた読者のうち、実に二割近い方たちから感想をいただいているそうです。
このことについて、塩澤さんは「実にうれしいことです。腐らない、古くならない本
、感動を呼ぶ本は、いつか芽が出るときがあると思います。ネット武蔵野も6年間種をまいてきました。映画化や受賞など、そろそろ収穫の時期が来ているのかも」と目を細めていました。
今後の出版予定は、10月に日本写真家協会会長の田沼武能氏がライフワークとして撮り続けてきた武蔵野の写真集
『田沼武能写真集 武蔵野讃歌 』(B4変型・252頁・上製本・函入・予価\9,000)、年内に『第九物語』『三木露風童謡集』(いずれもB5変型)を予定しています。これからも、読んでいて時間を忘れてぐんぐん惹きこまれていくような、良質の本を作り続けて欲しい、と強く思える一時でした。