◇ 握り飯屋リハビリ通信 4 ◇
6月13日に脳出血を発症し、担ぎ込まれた杏林大学病院から、現在の小金井リハビリテーションに転院する時、面談で僕は、「いずれ店を再開したい」という希望を伝えた。
しかし、その時点でのそれは、実態を伴わない夢、空想に近いものだった。
それが、リハビリを経た現在、周囲のリハビリスタッフで、再開を疑う者はいない。
本当に、リハビリは、失くしてしまった未来への切符を、再発行してくれる現代の魔法だ。
リハビリは、脳に直接作用する。
発症3か月以内をゴールデンタイムと呼ぶのは、この時期リハビリをすることによって、出血という土砂崩れで通行不能になってっしまった旧神経回路に代わる迂回経路を脳が作ってくれるからだ。
発症直後に、「あせるな、ゆっくりやれ。」と言ってくれた友人がいたが、一見冷静ですばらしく聞こえるこの意見、実は間違いなのだ。
あせるのは確かによくないけれども、必要以上にゆっくりやる理由は、何一つない。
通行不能になってしまった旧経路が定着してしまうと、脳はもう迂回経路を作ってくれなくなるので、その前にタイミングよく、どんどんリハビリをやって、新経路をより確かなものにしてしまう、この時期に治せるだけ治してしまう、というのが、最新のリハビリ理論だ。
7月19日